「逆輸入」ともいうべきか、2017年後半あたりから地域の事業者様のご相談をいただくケースが出てきています。
2017年秋のこと。
杉営農組合様から「お米が大量に余っている」というSOS。
その量なんと3トン(3,000kg)!
お話を伺ったところ、神河町の「ふるさと納税」返礼品になっている近杉営農組合のコシヒカリが、寄付激減により当初の見込に全く達していないというのです。
原因は、ふるさと納税のルール改正。
ふるさと納税返礼品の是正策 総務省、寄付金の3割以下の目安明記(産経ニュース2017.3.31)
律儀な神河町は返礼品に対する寄付額を増額したものの、蓋を開けてみれば、対応は自治体それぞれ。
リターン率の高い自治体に寄付が流れてしまったのでした。
ある程度まとまったロットで出荷することを見込んでいたため十分な貯蔵スペースも無く、前年の出荷ベースで増産したことも裏目に。
刻一刻と、事態が深刻化していました。
播磨源流の水と空気。
農薬・化学肥料不使用、有機ぼかし肥料で栽培したコシヒカリ。
お米の品質が高いことは間違いありません。
きっと都市部の方からの需要があるはずだと感じ、販売協力させていただくことになりました。
メインターゲットは関東はじめ都市部の子育て世代。
PRにあたっては、一連のできごとを逆手に取り、ありのままのストーリーを伝えることで「誠実なまち」「誠実な村」というアピール。
かつ、ふるさと納税をめぐる問題提起と啓蒙が「裏テーマ」でした。
テスト販売してみたところ、反応は予想以上!
東京や神奈川など県内外から注文が相次ぎました。
8月に神河町で体験ツアーを共同企画した未来こどもがっこうさんが千葉のイベントで試食販売を行っていただくなど各方面からの協力もあり、販売リストがどんどん縦長に。
2ヶ月ほどすると、リピート注文や取り置きの依頼も入るようになってきました。
18年2月時点で750トン以上を販売。
当初は3トンのあった在庫もカウントダウンの段階に入りました。
営農組合さん、そしてご購入者様双方に感謝していただくことができ、大きなやりがいと可能性を感じるプロジェクトになりました。